美術展巡りとハンドメイドブログ

絵を描いて微々たる収入を得ている人間が美術展やアートに触れて感じたことを記録していくブログ。ハンドメイド作家もたまにやります。

美術展巡りとハンドメイドブログ

Profile       Everyday       twitter       SUZURI

豊田市美術館「蜘蛛の糸」展を思い出しながら振り返る

花粉が舞う季節、春になりました。

 

先日は三月だというのに私が住んでいる地域では雪が降りました。

「時には四月にも雪が降る」っていう言葉ではないけれど

ブギーポップリターンズ VSイマジネーターに出てくる言葉。)

三月にも雪が降るんだーって、とても驚きました。

 

寒さで鼻水が出ているのか花粉で鼻水が出ているのかわからない

平成最後の春を身体全体で感じております。

 

 

 

今回は、何年か前の話になるのですが、

2016年の10月15日から12月25日まで愛知県豊田市にある豊田市美術館で行われておりました

蜘蛛の糸」という特別展のことを思い出しながら書いていこうと思います。

 

もう何年前なのって感じですよね、思い出しながらなので不鮮明で不確かな表現が多くなりますがご了承頂けましたら幸いでございます。

 

この展示は全体を通してすごく良いものでした。

 

 

www.museum.toyota.aichi.jp

f:id:miyam-mizuki:20190314232711j:plain

 

第1章から第6章という区切りでそれぞれのコンセプトを持った絵画や写真、映像といった様々な展示がされていました。

 

展示を見るためにはチケットの半券を見せる場面が2回ありました。

 

 

受付を終え、入り口から左手の方向にある階段を登った所に塩田千春さんの

夢のあと」が部屋全体を使って展示されていました。

f:id:miyam-mizuki:20190314232724j:plain

f:id:miyam-mizuki:20190314232729j:plain

f:id:miyam-mizuki:20190314232714j:plain

f:id:miyam-mizuki:20190314232707j:plain

この日豊田市美術館を訪れた一番の目的はこれ。

このエリアのみ撮影が許可されていました。

 

壁から壁へ、床や天井も使って張り巡らされた糸の間に取り残されたように、

人のシルエットを残したままの真っ白なドレスが置かれていました。

腕の位置とかドレスの裾とか、一体一体動きがあるようでした。

 

糸の張り方も直線で張っていく感じじゃないのかな、

複雑に交差された糸が辺りを埋め尽くしていました。

 

とても繊細で闇深くて、とても素敵な空間でした。

 

 

 

この部屋を出ると、江戸時代に描かれた蜘蛛が描かれた絵などが並んでいました。

第1章 蜘蛛の糸を見つめて

第2章 象徴としての蜘蛛の糸

 

この大きく2つのくくりで見ていく形になります。

結構ね、塩田さんの展示でお腹いっぱいになった感覚がありましたが、

猪瀬光さんの「ドグラ・マグラ」はインパクトが強かったです。

 

モノクロの絵だったのですが、モノクロだからこその迫力なのか、

冷たさとか強さが出ていたような絵だった記憶があります。

 

 

 

ここでチケットの半券を見せて別の企画室へ。

 

第3章 芥川龍之介の『蜘蛛の糸

芥川龍之介さんの蜘蛛の糸という短編の作品を読んだ事はありますか?

私は確か小学校か中学校に通っていた時に授業で読んだことがある気がします。

 

ここで目に留まるのが鴨居玲さんの「蜘蛛の糸芥川龍之介より)

上で一番の目的が塩田さんだって書きましたが、同じくらい鴨居玲さんの作品は見たいと思っていました。とてもドロドロとしたいい意味で気味の悪いキャンバス画。

 

この蜘蛛の糸という絵画は石川県立美術館に1つありまして、

石川県立美術館へはその他の鴨居さんの作品も見に2017年10月に行っております。 

 

miyam-mizuki.hatenablog.com

 

 

小泉明朗さんの「悲劇の誕生」もすごく印象的。

男性がニーチェ悲劇の誕生という本を朗読していると、

背後から複数の手が伸びてきて男性が朗読するのを邪魔し、最終的に男性は複数の手によって暗がりへ引きずり込まれていく という映像作品。

 

ニーチェ悲劇の誕生という本を読んだことがないのですが、

なんかちょっと宗教的な印象がある映像だったかなーと思います。

なぜ阻止をするのか、阻止されるのか、

悲劇の誕生を読んだら少しは理解に近づけるでしょうか。

 

 

 

そして

第4章 アラクネの末裔たち

女性の作品が揃えられています。

 

 ここでは草間彌生さんの「No.AB」がすごく目に留まりました。

草間彌生さんといえばパキッとした色使いでドットなどが印象的な作風のイメージがありますが、

No.ABは全く違う印象で、少し度肝を抜かれました。

 

他にも手塚愛子さんの「縦糸を引き抜く、新しい量として」という織物作品もあって、

糸を紡ぎ、解いていく、

女性らしさのある感性の優しさを感じました。

 

 

 

第5章 蜘蛛の巣のように立ち現われるものたち

ここでは秋山陽さんの「交信」という、蜘蛛の糸鉄粉をつけて紙に張りつけたものが複数展示されていたんだったかな?

これはコレクションのような感覚で、個々の違いを見るような感じで面白かったです。

 

 

 

そして

第6章 見えない糸、希望に糸

ここではミヤギフトシさんの「気狂い屋敷で:島の家でゾーイー(と他の物語)を読む」という映像作品をずっと見ていました。

これも宗教的というか、見えない糸=神様のようなものの存在を感じさせ、

映像自体は部屋の中やのどかな緑が広がる風景を映したものなのですが

引き込まれるようなちょっと不安定な気持ちにさせる文章が乗ることによって

のどかな風景もちょっと穏やかな見え方とは違ってくるなーと思いました。

 

文章の内容はちゃんとは覚えていないので書くことができません。すごく曖昧な表現になってしまって申し訳ないです、、、

ただすごく印象に残っているので、また見たい、何回も見たい映像作品でした。

 

 

 

ここまでが「蜘蛛の糸」展での覚えている、印象に残っているものになります。

当たり前のことながらこの特別展は終わってしまっておりますが、

また全く同じ内容で展示を行うことになったら絶対に行くであろう、すごく好きなものが揃っている特別展でした。

 

如何せん記憶が昔のものになるので事細かな解説とかが出来なくてすみません。

しかし、ここで名前を出した作品は本当にすごく良くて、私自身も影響を受けたものばかりなので検索とかで作品が見られたら是非見てみて下さい。

 

f:id:miyam-mizuki:20190314232703j:plain

 

美術館自体も素敵な建物でした〜

f:id:miyam-mizuki:20190314232718j:plain

 

 

miyam-mizuki.hatenablog.com